親知らず
親知らずとは
親知らずとは第3大臼歯のことを言います。
すなわち、前歯から数えて8番目に歯がある場合が親知らずです。
何歳くらいで生えてくるのか
親知らずが生える時期は概ね10代後半から20代前半です。
親知らずの痛みの原因
中途半端に生えた場合、磨きにくいせいで虫歯や歯周病になりやすいです。
ずきずきとした痛みは虫歯の可能性もあり、口を開けたり動かすときに痛いのは歯周病による痛みの可能性もあります。歯周病の場合は腫れやのどの痛みなども出ることがあります。
親知らずの症状
- 腫れ
- 痛み
- 頭痛・肩こり
親知らずの抜歯について
抜歯をお勧めするケース
- 親知らずの周辺の歯肉が繰り返し腫れや痛みを引き起こす場合
- 食べ物が挟まりやすく、親知らず手前の歯が虫歯になりそうな場合
- 親知らずが横に押して、歯並びに影響が出ていている場合
- 知らずのあたりが臭う、膿がでる場合
必ずしも抜歯しなくて良いケース
真っ直ぐ生えていて咬み合わせに問題がなければ、抜歯しないケースが多いです。
ただし、虫歯になっていたり、痛みがあったり、咬み合わせが悪かったりすると抜歯をおすすめします。
抜歯後の注意点
痛みのピークは抜歯翌日で、その後徐々に引いていくことが多いです。腫れのピークは痛みから少し遅れて、2日後ぐらいです。抜歯後3~4日から1週間ほどで痛みや腫れは治まっていきますが、2週間ほどは若干の鈍痛が残ることもあります。また抜歯後、親知らずの部分に大きな穴が空いているために刺激が手前の歯に直接加わり、知覚過敏が起きることがあります。激しい運動は出血につながるため、1、2日は避けてください。抜歯した当日は入浴をさけ、シャワー程度にしてください。
親知らずを抜歯する際の
医院の選び方
親知らずの抜歯には入念なシミュレーションが必要不可欠ですが、それを可能にするのがCT画像データです。特に下に生えている場合は下顎管という神経、血管の通る管との位置関係が重要となります(神経を傷つけると唇の麻痺が起こるため)。
CT画像データを用いることで顎の骨の厚みや神経、血管の位置などの通常のレントゲン撮影などではわからないことも正確に把握することができます。C T機器を導入している歯科での抜歯をお勧めします。
親知らずを抜歯する際の流れ
麻酔
- 歯茎に表面麻酔をします
- 歯茎の麻痺を感じたら麻酔注射をします
外科処置
- 親知らずが一部しか生えていない場合には歯茎の切開をして親知らずが出てくるようにします
- 親知らずを部分的に削ります
- 抜歯の実施
- 歯根が残っている場合には歯茎内部の歯根を取り除きます
確認と消毒
- レントゲン撮影をして取り残しがないかを確認します
- 削りカスなどが残らないよう丁寧に抜歯穴の洗浄します
- 切開した歯茎の切開部分を縫合します
抜糸
- 7~10日後に縫合した箇所の抜糸をします
抜歯後の腫れについて
一般的に、問題なく生えている親知らずを抜歯する場合、歯茎が腫れる心配は少なくなります。しかし、斜めに生えていたり、真横になって歯茎に埋もれていたりするような親知らずは、すでに歯茎の炎症を引き起こしていることが多く、抜歯後は腫れが強く出る可能性があります。
また上あごの親知らずの場合、腫れは軽いことが多く、数日で腫れは引きます。一方、下あごの親知らずの腫れは、2~3日目をピークにゆっくりと腫れが引き、約1週間程度で回復していきます。腫れには個人差があり、抜歯後の経過観察は慎重に行うことが必要となります。
危険な腫れ方
1週間を過ぎても腫れが治まらない場合は、細菌感染の可能性があり、「抜歯後感染」や「術後感染」と呼ばれています。抜歯した箇所に細菌が繁殖して炎症を起こしているのです。悪化すると膿を持つようになります。膿がある場合は、膿を出す処置や抗生物質の服用が必要です。