歯周病治療

当院の歯周病治療の特徴

当院の歯周病治療の特徴

当院では歯周内科治療を実施しております。
歯周病の治療は、歯ブラシで歯の表面の細菌数を減らし、細菌の住みかとなる歯石を取る治療がメインであり、より歯周病が進行しているケースでは、外科的な処置に頼ることが主流でした。それに対して歯周内科治療は、歯周病の原因菌を特定し(PCR法)薬を使用して除菌する、新しい考え方による治療法です。
従来の治療法と比較すると、患者さんの苦痛が少なくて済むのが特徴です(症例に応じて外科処置が必要な場合もございます)。

歯周病治療の診療方針

  1. 口腔内の精密な診査 患者様一人一人へ最適な治療を提供するため、まずは精密な検査(レントゲン、歯周ポケット検査)を行います。その後、検査結果に基づいて歯周病治療の方針を決定します。 口腔内の精密な診査
  2. プロフェッショナルケア
    (歯石除去・歯面清掃)
    専用の器具や薬剤を使用して、口腔衛生のプロが歯面を徹底的に磨き上げます。歯面がキレイになった後はフッ素(フッ化物)を塗布することで、再石灰化を促進させ、歯質の強化・虫歯抵抗性の向上を図ります。 プロフェッショナルケア(歯石除去・歯面清掃)
  3. 薬剤内服(ケースに応じて) 歯周検査の結果によっては、内服薬を服用していただく場合もあります。歯周病の原因となっているお口の中の細菌に直接作用する最適な薬を処方いたします。
    (歯周内科治療) 薬剤内服(ケースに応じて)

歯周病症状の段階について

軽度歯周病(歯肉炎)

軽度の状態(歯肉炎)になると、歯茎が腫れてピンク~赤色を呈し、ブラッシング時には出血が気になるようになります。この時点では歯槽骨への影響はなく、歯周病であることに気付きにくい状態ですが、適切なプラークコントロールを行えば、元の健康な状態にまで改善できる場合もあります。

軽度歯周病(歯肉炎)

中等度歯周病

中度の状態(歯周炎)になると、歯茎の腫れや炎症が悪化し、歯周ポケットもさらに深くなります。歯槽骨や歯根膜などの歯周組織の破壊も始まり、歯肉退縮(歯茎下がり)が見られるようになります。

中等度歯周病

重度歯周病

重度の歯周病にまでなると、歯の根にまで汚れが付着し、歯周ポケットもかなり深くなった状態となります。  歯槽骨の吸収が著しく、歯がグラついて噛む機能が低下し、食事もままならなくなります。歯茎からは出血だけではなく排膿が見られるようになり、強い口臭も発生します。ここまで重度になると歯周外科治療(手術)を要するケースもあります。

重度歯周病

歯周病・歯肉炎について

歯周病・歯肉炎について

歯周病とはどんな病気か

歯周病とは、歯と歯茎の溝(歯周ポケット)からプラーク内の歯周病の原因細菌が侵入し、歯周病原菌が出す毒素によって歯肉が炎症を起こしてしまう病気です。この段階では歯肉炎という名称で呼ばれます。

この炎症が歯肉だけではなく歯を支えている歯槽骨にまで波及すると(この段階から歯周病と呼びます)、骨吸収が進んで歯がグラグラしたり、最悪の場合、歯が自然に抜け落ちてしまったりすることもあります。

歯周病になる原因とは

歯肉炎・歯周炎を含む歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)です。歯垢(プラーク)は生きた細菌の塊で、そのほとんどが酸素の少ない場所を好むため、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)に潜んでいます。この歯垢(プラーク)中の細菌が出す毒素によって、歯茎に炎症が起きてしまうのです。

歯周病になりやすい人とは

  1. 歯磨きをあまりしない人 歯磨きをあまりしない、または効果的なブラッシングが出来てない場合は歯垢がつき、口の中が細菌でいっぱいの状態になります。歯磨きも磨き方がポイントで、歯垢を落とせるような磨き方をしないと意味がありません。 歯磨きをあまりしない人
  2. 喫煙習慣がある人 喫煙に含まれるニコチンなどの有害物質によって免疫機能や傷を治す機能の低下を招くため、歯周病になりやすくなります。 喫煙習慣がある人
  3. 女性は歯周病になりやすい 歯周病のプラークの中の細菌と女性ホルモンが密接に関わっているためです。原因菌の中には、女性ホルモンをエネルギーとするものがあるため、妊娠時などの女性ホルモンの分泌が活発になるタイミングは特に歯周病になるリスクが高くなります。 女性は歯周病になりやすい
  4. 歯並びが悪い人 歯並びが悪いと、歯が重なっている部分の歯磨きやケアがしづらいことでプラークが残ってしまうので、注意が必要です。やがてプラークが歯石となり、その部分に歯周病菌が住み付き歯周病に罹るリスクがとても高まります。 歯並びが悪い人
  5. 糖尿病の人 抵抗力や組織の修復力の低下が生じてしまい、歯周病を重症化させてしまいます。 糖尿病の人

歯周病と全身疾患について

歯周病と「動脈硬化」

たとえば、「動脈硬化」による疾患が挙げられます。
歯周病があると、歯周病菌は歯茎の中から血管に侵入して全身へめぐり、心臓周囲の血管の壁に取り付くことで動脈が狭くなり、硬くなることで動脈硬化を起こします。これが血管を詰まらせ、心筋梗塞や狭心症などの症状を引き起こします。

歯周病と「糖尿病」

歯周病は「糖尿病」とも深い関わりがあります。
歯周病によって歯茎に炎症が起きると、サイトカインと呼ばれる物質が体内のインスリン(血糖値をコントロールする物質)の機能を低下させ、糖尿病を悪化させるのです。
さらに、このサイトカインと呼ばれる物質は妊産婦の子宮収縮を促し、「早産」や「胎児の成長不足」を誘発します。ある研究によると、妊婦が歯周病にかかっている場合、健康な母体と比べて低体重出産のリスクがおよそ7倍に高まることも分かっています。
歯周病の治療が糖尿病の悪化を防ぎ、糖尿病の治療が歯周病の治療の一端を担っていると言えます。

歯周病を改善すれば様々な疾患を予防することができる

そのほか、日本人の死因の第4位にあたる「誤嚥性(ごえんせい)肺炎」も、お口の中の歯周病菌が誤って気管に入り込むことで発症するケースが多くあります。
このように、歯周病はさまざまな全身疾患の引き金となり得ます。しかし、これは同時に歯周病を改善すれば様々な疾患を予防することができるということも意味しています。

歯周病セルフチェック!こんな症状は危険信号です

  • 歯の動揺がある
  • 歯磨き時に歯肉から出血する
  • 上の前歯が出てきた
  • 歯と歯の間の歯肉が腫れぼったい
  • 口臭がする
  • 歯磨き時に歯肉から出血する

歯周病治療の流れ

  1. 歯みがきと歯石除去 歯周病にかかった場合は、まず精密な検査を行って現在の歯茎や歯槽骨の状態、歯周病を悪化させる要因の有無などを分析し治療計画をたてます。まずは歯磨きの指導を行います。それにより歯茎が引き締まると、歯茎の中の歯石が見えやすくなり、歯石除去が効果的に行えるようになります。歯石を取ると歯石の表面や内部の細菌が減り、さらに歯茎が引き締まってきます。 歯みがきと歯石除去
  2. 修復物や咬み合わせのチェック 歯みがきと歯石除去で歯茎の状態はかなり良くなりますが、これだけではすぐに再発することがあります。プラークがつきにくい、また取りやすいお口の環境にする必要があります。たとえば適合の悪い修復物などは除去しなければなりません。また異常な咬み合わせがあると変な力がかかり、歯槽骨が吸収しやすくなるので咬み合わせの調整も必要です。この時点で再度精密な検査を行い、状態がよければメインテナンスに移行します。 修復物や咬み合わせのチェック
  3. 歯周外科処置 歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットが残っていると、歯ブラシが届かず再発の危険がありますので歯周外科を行うことがあります。歯周外科を行うことにより、歯槽骨の形態をよくして周ポケットを減らすことができ、清掃しやすい環境ができます。ケースや希望に応じて歯周内科治療を行なうことも出来ます。 歯周外科処置
  4. メインテナンス 歯周治療後は歯茎の炎症は減少していますが、歯槽骨による支持が十分でないこともありますので、修復物で歯を固定することもあります。このようにひとくちに歯周治療と言っても症状やお口の環境によって治療の流れや期間が異なりますので、歯科医師と十分に話し合う必要があります。また、治療が終わったあとも定期的にメインテナンスを受けることが重要です。 メインテナンス

歯周病の予防について

歯科医院でできること

SRP(スケーリング・ルートプレーニング)

スケーラーという器具を使い、歯周病菌の棲み家となるプラークや歯石を徹底的に取り除く処置です。最後に、汚れがなくなってデコボコになった歯面をなめらかにみがき上げ、汚れの再付着を防ぎます。

歯周ポケット掻爬(そうは)術

歯周ポケットが4mm程度と深くなった場合に行う処置です。歯周ポケットの奥に入り込んだプラーク・歯石、また感染した歯肉組織を、専用の器具を使ってかき出します。

  • 電話をかける
  • オンライン予約